8月20日のプライムニュースは、「少子化時代のお墓事情」ということで、番組を見ながらいろいろ思ったので、どうでもいいことを中心にメモっておこう。
本当は当日書いたのだけれど、いろいろあって公開は8/23となっているため、あんまりリアルタイムではありませんが・・・。

今日のゲストは、宗教学者の島田裕巳先生と、東洋大学教授の井上治代先生。井上教授は初めて見る人だったが(まぁ、そんなにメディア露出するような肩書きでもなさそうだし)、島田さんって、確か創価学会関連の本を書いてる人だった気がする。割とお堅い人かと思っていたが、フランクなプラグマティストのような雰囲気だったなあ。まぁ、それはどうでもいいや。

番組内容は、細かなところをざっくり落として、かなり大まかに纏めると、下記のようなものであった。

  1. まず、日本のお墓事情は家制度の名残である。歴史的には明治以降に法的に整備された慣習である。そして、都市化に伴う火葬の広まりによって、近年では家制度の象徴としての概念が強まってきた。村社会だった頃は土葬だったので、「村の墓地」があるだけで各家の墓を作る習慣は少なかったようである。
  2. しかし家制度が崩壊しつつある現在では、お墓の在り方が多様化しており、死者を葬る形式は個々人の考え方次第になってきた。家制度が機能していた時代は、長男が墓守となって守っていくというのが慣わしであったけれども、親の方が子供より長生きしたり、子供が遠方で働いているなど、昔の習わしではお墓を維持できない状況になっている。

その上で、ゲストの方の取り組みについて紹介があった。

井上教授は「桜葬」というのをやっているそうである。ものすごく簡単にいうと、桜の木の下に骨を埋めてお墓の代わりにするそうである。一応区画も区切ってあるらしい。詳細はめんどくさいのでリンク先参照のこと。ちなみに、井上教授は「こってり葬る派」らしい。

島田さんは「葬送の自由をすすめる会」というのをやっているらしい。こっちも簡単に説明すると、散骨(海や山に骨を蒔く)で死者を葬るということらしい。ということで、島田さんは「あっさり葬る派」である。

さて、ここからは私の感想である。

番組内でも前提として述べられていたことだが、この問題はだれもが共通に抱えている問題である。当然私にも関わってくる。つい先日祖母の初盆であったが、何十年かしたら自分が親の初盆の儀式を行うかもしれないし、それまでに葬儀の形式やお墓について決めておかねばならないだろう。

で、現状良心と自分の生活場所が別々で、割と遠方のため、実際に親が死んだときに墓をどうするかは問題なのである。子供としては、親には世話になっているから、責めて死んだ後ぐらいはそばで墓の面倒ぐらいは見たいと思うが、見知らぬ土地の墓に親が入りたいと思うかどうかが問題だ。もちろん、私の場合は墓の管理を自力でできるか、という問題もあるし、そもそも墓を作る場所を確保できるかどうかも怪しい。

そういうわけなので、母親の方は、「墓は作らず永代供養にしてくれ」とぼそっと言ったりもする。現実的にはそれが妥当のような気がするが、親父は墓に入りたいそうなので・・・。どうなんでしょう。

ただ、永代供養してもらうにしても、お寺に結構高額なお金を払う必要がある。まぁ「それぐらい払え」という話かもしれないが、払えない事情だってあるかもしれない。そういう場合に、前述した桜葬とか散骨といった方式も考え得る。

個人的には、自分自身が死んだときは、このように、あまり後に残らない形で葬ってもらいたいものだが、親を葬るときに、こういう選択をするのはいかがなものだろうか。別に否定的な意味で言っているのではなく、むしろ、もっと一般的な風習として定着すれば、あまり迷いもなく選択できるのに・・・、という思いがあるぐらいだ。

特に桜葬の場合、単純に骨を埋めるスペースを確保するだけでなく、「ある桜の木の下に骨を埋める」という共通点を介して、生前からコミュニティを形成していくというビジョンがあるらしく、家制度の代替として参道できる考えだと思う。少し脱線するが、墓の前に、老いた親の面倒を子供がどう見るかということとも絡んでくる話なのである。遠方に住む親を子供が呼び寄せるというパターンがあると思うが、見知らぬ土地で果たして親は満足するかどうか分からない。そうなるよりも、同じ墓に入る者同士という共通点で繋がったコミュニティを持っていた方が良さそうに思う。

まぁ、焦って結論を出すような問題では、今のところないので、そろそろ考えるのは辞めようと思うが、番組を見ていて「へえ」と思ったことを2点ほどメモしておくことにする。

1点目。現在の家制度の名残は、第2次大戦後に民法を抜本的に変えきれなかったことに由来するそうである。第2次大戦後に民法を見直す際、スローガンは「家制度の解体」だったそうなのだが、保守派の国会議員を納得させて国会を通すために、民法第897条にて、該当する条項を残したということである。詳しくは知らないが。

2点目。東京の青山霊園の使用量は一千万円ぐらいらしい。これに墓石の金がプラスでかかるそうな。東京ってのは、なんでも高いのう。

以上。