2018年1月の記事一覧

1月23日から、2泊3日で札幌へ行ってきた。友人にあって気晴らししたかったからという、安易な動機ではあるが、ちょうどこの時期は旅費も安く済むので、という理由もあった。

遠隔地に住む友人となら、今時SkypeだのLINEだので話せばいいのだけれど、実際に会って話をする良さというのもあるかなあ・・・などと思い、足を運んだわけである。

で、どうだったかというと、やっぱり良かった。電話で話すにしても、同居人がいたりすると気を遣うし、やはり対面でお酒を飲みながらでないと話がはずまないこともある。そういうことを再確認できた。普段から近くに、飲みながら話せる人がいることが、とても素晴らしいということも、改めて感じた次第である。

まあ、詳細は特に書くつもりはないのだけれど。

せっかくの旅行だというのに、移動の間にいろいろ考えることが多くて困ってしまった。いや、別に考えなくてもいいのだけれど、なんとなく暇で、あちこち見回していると、いろいろな考えが頭をよぎるのである。

例えば、飛行機。安全確保の観点で見れば、主体的に判断することよりも、マニュアルに沿って確実な点検やルーチンワークを行い、異常を見つけることが必要とされる。それができた上で、あれこれサービスが行える。いわば、「安全」というインフラの上に成り立つ商売であるから、そのインフラを確実に守ることは非常に重要だ。

私の良く知るIT関係でも、基本的にはやっぱり「インフラあってのシステム」というか、システムはインフラというか・・・。そんな感じなので、運用する側はクリエイティビティより精密なルーチンワークをこなせる方が向いている。そういう人たちがいて、初めて「じゃあ、新しいアプリを考えよう」とか「もっと改善をしよう」とかいう話になるわけで・・・。

電気にしろ水道にしろ何にせよ、インフラとして当たり前になったら、今度はそれを確実に維持する仕組み(たいていは地味な仕事になってしまうけれど)が必要で、圧倒的にそうした仕事の方が世の中多いなあと。フライトのときに思ったりしたものだ。

こういう余計なことをいちいち考えるんで、なかなか眠れなかったりするんだろうなあ、俺は。困った困った。もっといい加減に生きたいもんだねえ。

最近、はあちゅうさんの「自分」を仕事にする生き方を読んでいる。まだ途中なので本の感想は書かないけれど、今の私にとってはとても良い本である。

視覚障害者に限っていうと今も昔も、自立という言葉を使ってはみても、結局のところ「かごの中の鳥」だ(これについては別の機会に考えを述べたい)。こんなに多様性がある東京でもだ。だから、はあちゅうさんのような生き方に憧れる自分がいるのかもしれない。以前もこのブログでそんなことを書いた気もするけど。。。

はあちゅうさんのことは、東京MXの「モーニングCROSS」で以前、何度か拝見してお話を聞いたことはあったけれど、いろいろと自分の身辺が変わって、なかなか真剣にそうした話を聞くことができずにいた。そこに、「#MeToo」の謙(そう良いことではないけど)で久々にお名前を見て、本を買った。「月刊はあちゅう」もノリで契約しちゃった。

で、今回は、はあちゅうさんのことを書くのが目的ではなくて・・・。視覚障害者の読書についてが話題なのである。

視覚障害者が本を読む手段は一般に比べると多様性は多い。

古典的には、点字に翻訳されたものを読むことが主流だった。

次に出てきたのは、カセットテープ。「朗読」というとニュアンスが違うのだけれど、「音訳」という言葉遣いにはなるが、普通の文字が読めない視覚障害者や、点字を読むことができない視覚障害者に有効な手法だった。点字を習い始めたときは私もカセットテープで、アンパンマンを聞いていたし、もっと切実な人は、鍼、灸、按摩・マッサージ・指圧師の勉強を、カセットテープでやった人も多いはず。

その次に「Daisy」というのが出てきた。まあ、ざっくり言ってカセットテープみたいに音訳された内容を聞くものなんだけど、確かマルチメディアに特化したXMLのサブセット(名前が出てこない・・・)をメタデータとしてCD-ROMにインプットして、見出しごとにジャンプできたり、ページごとにジャンプできたり・・・と、カセットに比べればずいぶん発展したものであった。もちろん、今でもDaisyは音訳データの主流となっている。

それから、Daisyよりも前に、点字をデータとして取り扱う規格がいくつか定められ、準拠したデバイスであれば点字データをコンピュータのようなデバイスで読むこともできるようになった。細かいことだけれど、そうしたデバイスはソレノイドの技術を応用して、点字の凹凸をピンで表現し、表示を可能にするものである。その昔はブレイルライトとか、ちょっと金持ちか、そういうことに積極的な人が持っているものだったけれど、今はネイティブ点字使用者は、何かしらそういうデバイスを持っている。

まあ、視覚障害者の読書環境って、ざっくりいうとこんな感じなのだが・・・。あくまで、これらは、視覚障害者のために考えられたものだったり、 print disabilities (日本語が出てこない)に向けてのものだったりするわけだけど。近年は電子書籍が普及してきたおかげで、より、視覚障害者の読書環境は改善されてきた。たいてい、出版社は、著作権法を理由に、本を点字に翻訳したりすることを良く思ってないので、レギュラーな方法で私たちも本が読めるなら、願ったり叶った利だ。まあ、DRMフリーとか、コピペできる電子書籍じゃないと読めないという問題はあるにしても。

本当のところ、もっとデバイスレベルのことを書かないと、これからの本題は理解しがたいかもしれないけれど、前振りが長すぎるのもどうかと思うので、あとは本題に交えて書くことにしたい。

ここまできて、やっと件名の話ができる。

絶対的とは言わないけど、本を読むのって、やっぱり、点字が一番だと思う。視覚障害者がコンピュータとかiPhoneを使える今の時代でも。やはり、文字として入ってくる情報と、耳から音声で入ってくる情報って、感覚的に違うんだよね。その、理屈で説明するのはなかなか難しいんだけれど。分かりやすい例でいえば、文字なら、理解できなかった部分を何度も読み直せる。けれど、音声だと、多くの場合は聞き流しちゃう。もちろん、巻き戻せばいいんだけど。。。

あと、決定的なのは、数式だ。あんなの、音声で聞いて理解できる人なんか、ほとんどいないだろう。幸い私は数学が好きで、大学も半分ぐらいは数学に浸っていたので、きちんと記号まで読んでもらえれば数式が頭に浮かぶようにできてしまってるんだけど・・・。そもそも、日本語で、どうやって数式を読むのか、大学教授もほとんど理解してない。「f(x)」と書かれたら、皆さんはどう声に出して読むだろうか?私としては「エフ、括弧、エックス、閉じ括弧」とか読んでもらってもいいんだけど、「F of X」というシンプルな表現方法もある。あるいは「エフ・エックス」でもいいんだけど、「FX」かもしれない(まあ、監修としてそんなことはないと思うが)。

そういうわけで、本を読むなら点字だなあと、思ったわけである。

ただ、点字にも弱点はある。まず、重要な箇所にマーキングできない。そりゃ、まあ、工夫すればできるとは思うけど、したところで探索にかかる時間が手間だ。そして、何よりも、点字の表記は、仮名文字、かつ分かち書きを多様するので、点字に翻訳する過程で問題が起きることもしばしば。特に新しい外来語なんかはそうだ。「インターネット」って、普通だったら何も考えずに続けて書くものを、点字では「インターネット」と続けて書くか、「インター ネット」と分けて書くかが問題となる場合がある。見識があれば、「英単語は internet なんだから分けるのはおかしい」ということになるんだけど、どうも、ルール上、本の中で統一されてれば、どっちでもいいらしい。

そういう意味で、スマホのKindleなんかは視覚障害者でも、コンテンツさえきちんとしてれば読めるが、結局のところ、技術的な問題で音声での読書が最適だったり、「ハイライトってどうやるねん?」という問題はアルので。Appleには、iPhoneと点字デバイスの関係をもっと改善して欲しいところではあるが・・・。

いろんなことを、はあちゅうさんが読書するときにメモするということを書いているのを読んで、「ああ、やっぱ、それが一番かな」ろ思った次第。結局、私たちは、本の重要な場所に下線を引くとか、ハイライトするとか、こざいくするより、大学で勉強してたみたいに、重要なことをメモとかノートにするのが一番なんだなあと思ったわけである。音声しか使えない人は、ICレコーダーにでも録音すればいい。それか、前部頭に記憶すればいい。

最後に余談だけれど、みんながみんな、そうできるわけじゃないと思うけど、視覚障害者って、記憶力がどの程度かは、勉強したり仕事したりする上では重要なファクターだと思う。よく思うけど、会議でせわしなくメモを取っている人がいるけれど、会議のようにあらかじめ資料が用意されているような場で、いちいちメモなんか取らなくたって、覚えてればいいのに・・・とは思う。もちろん、長い本を読むときのメモには意味があるし、仕事上でメモをとりシェアすることは、認識の違いをなくす意味で重要なんだけど。

だんだん話が逸れてきた。いつものことだけどね。じゃあ、今日はこれで終わりにします。

今まで自衛隊の戦闘糧食(レーション)をレポートしてみたが、正直、今回はもっと緊急の時に食べるものだ。以下のアマゾンページに詳しく載っている。

救難食糧ER5食入 SOLAS条約準拠

要するに、船で遭難したときとか、航空機のパイロットが緊急射出して降下した際に、救助を待つ間のエネルギー補給が目的の食料でアル。

そのためか、衝撃にも耐えられるよう、缶がしっかりと密封されている。一度開封してしまうと、あんなに密封することはできないだろうなあ、という感じ。ちょっと落としたぐらいではどうってことなさそうだ。まあ、高度数千フィートからの落下も想定しているんだから、当たり前か。

で、内容物としては以下の通り。

  • ビスケットバー5戸
  • 乾燥ゼリー5戸

どうやら、ビスケットとゼリーで1食分のようだ。本気で食料が亡くなってきたら、1回にどっちかを食べることになるかもしれない。

さて、こちらも加熱はいらないので実食してみる。

まずビスケットバー。一番近いのは「カロリーメイト」のノーマル味だ。カロリーメイトはパッケージに細いのが二つ入っているが、このビスケットバーは、カロリーメイト1パッケージ分といった大きさ。

ただ、ここで気になったのは、商品ページにこっそり書かれていた「日本人にもなじみやすい駄菓子風味」の一言。おわかりのように、どう考えても、ビスケットバーは駄菓子風味じゃなかった。

では次に、乾燥ゼリーを食べてみる。ずいぶんと圧縮包装されているので、開封は簡単だが、堅くて、出して食べるまでがちょっと難儀だ。片手を怪我していたら困るだろう。

でだ、乾燥ゼリーを食べてみて愕然・・・。な、なんと・・・。和菓子風味だったのはゼリーのことだったようだ。乾燥ゼリーだというのに、ごまが入っている。しかも、なんか、ザラザラしていて、ゼリーというより、子供の時によく食べた「きなこの駄菓子」を思い出す。はっきり言って、普通に食べる分には、我慢が必要なレベルだ。まずい。

「洗浄をかけっるグルメ本」という本に、「アメリカ軍のMREに入っていたオレンジジュースは石油の味だ」と書かれていて笑ったものだが、どうも、そう笑ってもいられない。

まあ、この乾燥ゼリーが、スーパーの駄菓子コーナーに並んでいるものでなくて良かった。まずいとはいえ、救助を待つ間は、なんとか我慢して食べられるとは思う。

内容物は以上。非常にシンプルだ。まあ、災害の時に比べ、海で救助を待つというのは、エネルギー補給は最低限で良く、むしろ、忍耐力と、助けが来ると信じる気持ちが大事なので、これ以上は言うまい。

さて、アマゾンで入手できて、食べるのにそう困らなそうなものはレポートしてしまった。まあ、他にもMREとか売っているが、説明を読むと、中身はランダムな上に、どうせ説明書は英語で、OCRしたところで、まともに読めるとも思わない。そして、たぶんだけど、加熱にヒーターを使うMREは、アウトドアじゃないと実験できない。

そういうわけで、今度からは、日常生活でも使えるサバゲー装備とか、防災の観点から必要とされるものについてレポートをしてみたいと思う。

予告だが、次はバックパックとハイドレーションシステムについて紹介する予定だ。サバゲとか登山をする人にとっては、そう珍しい装備ではないだろうけど、日常生活でも、なかなか便利なグッズである。

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プロフィール

結論の出ない駄文を残すことが趣味です。ついでに頭でっかち。
視覚障害(全盲)です。誤字脱字は、どうぞご勘弁ください。

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