ちょっと前まで「EUC(End User Computing)」という言葉を目にすることが多かった。企業の社内システムは、通常情報システム部門が一括で導入し運用するものだが、それではスピーディで柔軟な業務ができないということで、部門自身でシステムやサービスを導入・運用しようという動きである。発想としては理解できる。ぶっちゃけ、部門からすると、情報システム部門の動きというのはのろますぎてお話にならないんだろう。すいません。

さて、そんな「EUC」という言葉も、今ではすっかり目にしなくなった。たぶん、「EUC」なんて言ったら「文字コードの話?今はUTF-8じゃないの?」と言われてしまいそうだ。

何故そんな死語を今更思い出したかというと、今日、「部門の人はPCのスキルが無い人の方が多いんだな」と実感したからである。うーん、「PCのスキル」というと語弊がある。正確には「業務システムの使用・運用スキル」かな。それも厳密には違うと思うが、まぁそういうぼやっとした感じでいいや。

というのも、基幹システムで特定のデータが表示されないと問い合わせがあったのでいろいろ調査していたところ、ユーザ側(つまり部門)で設定すべき項目に誤りがあったからだと分かった。そのシステムはもちろん情報システム部門が導入・運用しているものだが、細かい部分は業務内容に応じて部門で設定してもらうようにしていた。そこで誤りがあったわけである。しかも、誤った設定で数年間使っていたらしい。・・・それで仕事できてたのか?大丈夫か?

まぁ、情報システム部門としては、その辺をフォローするのも「仕事のうち」なのかもしれないが、運用基準書でそこは部門がやると取り決めてあるので責任はないと思っている。

でだ。そうなのにも関わらず、何年もシステム設定誤りに気づかない部門が、EUCなんてできないよなあと、やっぱり思ったわけである。誤解しないで欲しいのは、あくまでこの意見は自社の部門に対してそう思ったのである。ただ、そんなのはどの会社も同じだろうから、EUCという言葉が廃れたんだろうなあ。

尤も、EUCという言葉が「クラウド」に置き換わっただけ、ということも言えるかもしれない。SalesForceとか、部門単位で使ってるところはいっぱいありそうだし。だから、たぶんこの記事での考察はいろいろ間違っている。まぁ、帰り道、信号待ちのときにふと思っただけのことなので・・・。

以上。あ、そうそう。記事タイトルの答えは「死語」です。