ツイッターでフォローしている人たちの間で、「バリバラという番組で障害者とお笑いについて放送する」という話題があったので、初めて見てみた。ちょうど良い加減に酔っぱらっていることだし、全盲としての感想を、書いてみることにしよう。暇なのでね。

とりあえず、バリバラとは、こういう番組らしい → ホームページ。実際に見てみた感想としては、まず「NHKが変わったってほんとだったんだ」ということ。まぁそれは本題から外れるので深くは追求しませんが、あんなにお堅い国営放送だったのに、近頃は社員の権利とか規則みたいなのが民放より自由だとあちこちで聞いていたのは本当だったんだなと思いました。

で、中身の話。本日7月5日は「障害をどこまで笑いにできるか」というテーマだった。個人的には、面白いと思いました。まぁ、私は全盲なので、そもそも笑いの壺が健常者と若干ずれているかもしれないが、個人的には、広めていってもOKだと思った。

私が思いっきり笑ってしまったのは、前半に脳性麻痺の人とお笑いのプロの人がコンビになってやっていたコントと、後半に全盲の落語家が義眼ネタでやっていたコント。

前者は「子供のころにどんな遊びをしたか」というのでコントをやっていたのだが、ドラクエのバトルを再現する場面。お笑いのプロの人は健常者(だと思う)なので普通に自分のターンは攻撃するけれども、脳性麻痺の人はデフォルトで麻痺ってるから攻撃できないというパターンである。いや、普通に面白いでしょ。

後者は、全盲の落語家が義眼を外して、外した義眼といろいろ会話するという話。ぶっちゃけ、そんな顔でテレビ映ったら普通の人は気持ち悪いと思うだろうなと思ったんだが、なんか、他のネタも併せて一番評価が高かった。個人的には「これから夏やろ。お化け屋敷いくやろ。こんな顔でお化け屋敷行ったら、脅かす方の人がびっくりしてまうで。」という趣旨の場面が受けた。いやあ、台詞はもうちょっと違ったかもしれないけど、結構、そうだなあと思って(笑)。会場の人も「最初は衝撃的だったけど、途中から見慣れて目玉親父に見えてきた」と言ってる人もいて、まぁそんなもんなんだなあと・・・。

さて。基本的にはこういうのも有りだと、私は思う。ただ、あくまで「お笑いとしてやっている」という前提があるから面白いのであって、通常の生活の中でこういうことをやっても、受け入れられるかどうかは怪しいというのが私の正直な感想。漫画家の江川さんも出演していて、「演出が良いから面白いんだ」というようなことを言っていたけれど、まさにそうなのではないか。一般的なお笑いと同様にネタが面白い面白くないというのはあるが、それに加え、見る側にそれらを受容するだけの準備ができているかいないかは、結構大きな要素だと思う。

あと、「お笑い」という点では、同じ日本の中でも、地域によって差があるように思う。今回の番組は大阪で収録していて、会場にきていた人もきっと近畿圏から来ている人が圧倒的だったと思われるが、個人的なイメージとして、近畿とか関西の人は、お笑いに理解があるというか、割と日常生活になじんでいる気がする。だから、「お笑い」という前提条件の下でこうした企画は成り立つかもしれない。が、関東圏ではどうかというと、結構怪しい。関東の人は、こういっちゃなんだが、大阪の人に比べると礼儀正しいが、それ故にどことなく冷めていて、かつ、利害の有る無しを基準にする人が多い気がする。当然人工が多いので相対的にそう感じるだけかもしれないが・・・。だから、本当のところ、関西以外の地域でどういう反応があるかというのは気になるところである。

最後に。漫画家の江川さん。TVタックルで政治や外交の話をしているときは「とんちんかんな人」と思っていたけれど、芸術のことになると、やっぱり専門家なんだなということを思いました。それが今日の一番の収穫かもしれん(笑)。