アクセシビリティは永遠に

この前「当事者もアクセシビリティの世界に積極的に関わっていくべきではないか」という趣旨の記事を書いたので、これからのアクセシビリティがどうなっていくかも考えてみたいと思います。素人の私見ですが・・・。

まずアクセシビリティと一口に言ってもいろいろですが、コンピュータとかITの世界におけるアクセシビリティについて考えることにします。

さて、その前提で考えるとき、アクセシビリティというのは大きく二つに大別できると思います。一つ目は「情報の提示の方法論」、二つ目は「実装の方法論」です。

例えば、Webサイトの製作を例に挙げると、

  • ページの背景色をどうするか = 「情報提示の方法論」
  • どうやってマークアップするか = 「実装の方法論」

ということになります。うーん、でも微妙に違うかもしれませんが、そこは素人ということでお許しを・・・。

私がよく知っているシステム開発でいえば、「情報提示の方法論」は要件定義とか外部設計のイメージで、「実装の方法論」は内部設計とかコーディングのイメージです。コーディングなんかはWebアクセシビリティでも全く同じですね。

そして、もはや結論ですが・・・。

これから何年先になるか分かりませんが、おそらく「実装の方法論」はどんどん自動化が進んで、一般の開発者はあまり気にしなくなるかもしれません。おそらく、今後永遠に必要なのは「情報提示の方法論」を突き詰めて、ベストプラクティスを作り上げていくことだと思います。

何故私がそう思うかというと、システム開発の現場でBRMSが盛んに使われるようになってきていることが理由です。BRMSのように、業務モデルを定義すればシステムができあがるツールを使うと、実装がほとんど必要ないので、コストが下がります。これはアクセシビリティにも言えることで、実装技術が全般的にアクセシブルになれば、実装はほとんど意識する必要がなくなります(もちろん、これは理想論で現実はつらいんですけど・・・)。

少し話のレベルが下がりますが。仮に「.NET Framework の標準ライブラリや標準オブジェクト、またはそれらで構成される独自オブジェクトであれば、スクリーンリーダーが完璧に対応できる」という理想が実現したとすれば、読み上げのためにいちいちスクリーンリーダーのAPIをたたくこともなくなります。現状はそんなことないと思いますが・・・。

でも、話を戻して。デザインした時点で実装も生成するようなツールは、今後もっと発展すると私はみていて、そこに「実装をアクセシブルにする余地」はあると思っています。そういう意味では、「実装の方法論」が必要とされる場面が少し残りますね。

しかし、前述の状況になれば、基本的にはデザインが主な仕事になります。今の世の中、デザインとUIは密接に関わっていますから、ここで「情報提示の方法論」はどうしても必要になります。何故ならば、一般的な情報提示の方法では、アクセシビリティを必要としている人には必ずしも伝わらないからです。

例を出すまでもありませんが、一応例を挙げると、資料作成するときに注意事項を赤文字にしても、全盲には伝わりません(もっとも、そこは支援技術でカバーできるかもしれませんが、伝わる確率は一般的に低いです)。

あと、これは具体的なことは書けないのですが。E-ラーニングの教材がスクリーンリーダーで全く使えなくて、様々な交渉を重ねた結果、なんとかスクリーンリーダー用のテキストを付けてもらえることになったものの、その実現方法が、

  • 数十ページに渡る教材の1ページ1ページに、「スクリーンリーダー用テキストはここをクリックしてください」というリンクが張られ、テキストが書かれたウィンドーがポップアップしてくる

というものだったという例もあります。わざわざリンクをクリックしてポップアップしてきたウィンドーに、タイトルが1行だけしか書かれていなかったときの、あの無力感は、操作者にしか分からないかもしれません!!・・・おっと、具体的なことを書いてしまいましたが、まぁいいです。

そういうわけで、

  • どの情報を
  • どんなタイミングで
  • どうやって提示するか

というのは、ユーザー・インタフェースの本質で有り、それをどうやって統合したり区別するかをデザインしていくのが、永遠に必要なアクセシビリティの仕事なのかな、と思います。

結局ITシステムも、さっき挙げたような感じで、結局最終的に残るのはデザイン(設計)の仕事なんだろうなあという感じですね。人工知能が人間に取って代わらない限りは。

以上、駄文失礼致しました。


↓↓18:43ごろ追記

ふと思いましたが、ゲームって、実装云々の前に、そもそもどうやってアクセシビリティにアプローチしたらいいんでしょうか。

「ドラクエやりたい!」と思ったことはありますが、テキストを読み上げるだけでは、たぶん全盲はドラクエできません。

「プヨプヨ」も、ルール変更とかいろいろパラメタ変更が必要なレベルでできなさそうです。

こういったことは、今も昔もこれからも、「情報提示の方法論」では困難な部類になるのではないでしょうか。

個人的には、ゲームのアクセシビリティが高まり、みんなと同じゲームを楽しめる日がくるといいなあと思っています。UIがWeb系(HTML5+CSS3のスマホアプリではない)なら、スクリーンリーダーで遊べるゲームもあるのかな?


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