今日もあなたに太陽を

今週は『今日もあなたに太陽を』という作品を見た。Netflixのオリジナルなのかな、たぶん。

精神科に配属されたナースが主人公で、患者とのふれあいを通して成長していく姿を描いていると、粗筋には書いてあった。

実際に見てみると、なかなか良い作品だった。昔、精神科に入院してたころを思い出す描写が結構あったし、名前が出てくる薬も、なじみがあるというか服用したことがあるものが多くて、1日に何錠も服薬してたころが懐かしくなってしまった。ジェイゾロフト、レクサプロ、エチゾラム(デパス)、アルプラゾラム(たぶんソラナックスとかコンスタン)といった薬。知ってる人が見たら、どんな状態なのか想像つくだろう。

意外な転回だったのは、主人公も鬱病になって入院してしまうことだった。前半はナース視点での精神科の描写だったのが、患者視点での描かれ方に変わり、これはこれで良かったんじゃないかと思う。精神科の病棟って、ほんとあんな感じだし、それぞれに事情を抱えた人がどんな風に病気と向き合っているか、ちゃんと取り上げていたことが良いと思った。

取り分け共感したのが、主人公が職場復帰した後の世間の冷たい目。僕が生きてきた社会は、比較的精神を病む人が多い業界だったので、休職・復職した人を露骨に差別したりはしてなかったけど、やっぱり「メンタル崩すやつは根性がない」みたいな風潮はあったし、真の意味で理解してる人は少数だったと思う。世間の差別的な目と、それと戦う同僚たちの姿勢は、できれば実社会でもそうあってほしいと思う描写だった。

主人公だけじゃ無くて、周辺の人物にも何かしらメンタルに問題を抱える登場人物が多かったが、これも現代社会の縮図のように思う。普段は表に出ていなくても、みんな、何かしら戦いながら生きているはず。病気と向き合って治療している人もいれば、病気と認識できず苦しんで戦っている人、病気とまでは言えないけれど深い問題を抱えながら懸命に頑張っている人…。いろいろな人たちが、人によってはぎりぎりのところで踏ん張ってるってことは、忘れちゃならない。そういうことを気にとめて、人と接しなければならないよね、って改めて考えました。

ところで、この作品では主人公の幼なじみが出てくるんだけど、作中で彼が主人公に恋心を抱いていることに気づいたものの、親友となっていたために戸惑い、気持ちを伝えないまま結局別の男と主人公が付き合うことになってしまうストーリーがあった。こういう転回は切ないよ。なんでかって、そりゃ、俺も恋心を抱いた時には、既に手遅れだったってことがあったからね。人生最大にして最長の恋が、そうだった。その相手には何度も振られて、何度もまた好きになったけれども、いつも手遅れだった。子供っぽかったけど真剣だった俺に、ちょっとは見向きしてくれたものの、思いっきり振り向いてくれることはなくて、ほんとに切なかった。だから、好きな気持ちを言えないままでいる登場人物にはもどかしさを感じてしまうし、結局別の人に取られてしまった時には、「おまえはほんとにいいのかよ?もっと頑張れよ!」って思っちゃう。結構お節介だ。

でもなあ、なまじ仲が良いと、気持ちを伝えて関係が壊れてしまうリスクよりも、気持ちをしまい込んで良好な関係を続ける方に流れてしまうよなってのは思う。ちなみに、ここのところの俺の恋煩いに関しては、リスクを取ることに決めた。投資だってリスクを取らなきゃリターンはない。言い方はあれだけど、この恋は棚ぼたみたいなものだから、大事に長く続けるより、攻めて後悔しないようにしようと思った次第。

あら、作品とはぜんぜん関係ない話題になってしまった。まあ、病んでるってことだな、うん。そういうわけで、次は僕の友達について書いてみようと思っている。覚えてたら。


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