日本版「Amazon Echo」を全盲なりにレビューする

日本版「Amazon Echo」を全盲なりにレビューする

はじめに

とうとう日本でも「Amazon Echo」(以下、Echo)が発売されました。 Echo ファミリーは三つの製品から構成されています。詳細は以下のリンクを参照してください。

""* Amazon Echo
* Amazon Echo Dot
* Amazon Echo Plus

これらはAIを搭載したスピーカーで、スピーカーに話しかけることによっていろいろなことができます。上記の中で、「Echo」がスタンダードモデル、「Echo Dot」はコンパクトモデル、「Echo Plus」は対応家電製品とのシームレスな連携が可能な最上位モデルです。

2017年11月28日現在、Amazonの商品ページより招待リクエストを送り、招待メールが届いた人から購入できる仕組みになっています。10月には Google が同じようなスピーカー「Googme Home」と「Google Home Mini」を発売していますが、それらが家電量販店で購入できるのに対して、 Echo がこのような形態を取っている理由はよく分かりません。

しかしながら、インターネット上にはレビュー投稿が相次いでおり、あるところには、あるようです。

今回、運良く Echo (スタンダードモデルのやつ)を手に入れることができたので、特に全盲の観点で、形状、セットアップ、設定などのポイントを書きたいと思います。

Echo の形状

Echo はスマートな箱に入っています。実は私、「Google Home」も所有しているのですが、それに比べて箱は小さいです。 Google さんの方は無駄に箱が大きいですけど・・・。

箱を開けると、フィルムに包まれた Echo 本体が入っています。本体を取り出し、下の部分の箱を開けると、ACアダプタが入っています。ちなみに21Wだそうです(結構電力食う)。

Echo 本体の形状を説明します。全体としては円筒形をしており、側面はすべてスピーカーのネットで覆われています。上面にボタンが四つ着いているのですが、これらは後で説明します。そして、本体側面の下の部分をなぞっていくと、ACアダプタの差し込み口があります。その隣にカバーがついていますが、3.5mmのステレオミニジャックがあります。

本体上面のボタンについて説明します。ACアダプタの差し口を後ろに向けた状態にすると、四つのボタンが菱形に配置されています。それぞれのボタンは以下のとおりです。

  • 上のボタン: 音量アップ
  • 下のボタン: 音量ダウン
  • 左のボタン: マイクミュート
  • 右のボタン: アクションボタン (このボタンのみ突起があります)

あと、上面の円周上をなぞっていくと、指先で触って分かるか分からないかの穴が空いています。これはマイクです。

各ボタンの役割については、 Echo のヘルプを参照してください(記事の末尾に参考リンクとして挙げています)。

セットアップ

Echo をセットアップするには、スマートフォンが必要です。私は iPhone7, iOS11 で行いました。

セットアップするためのアプリは以下になります。あらかじめインストールしておいてください。

さて、アプリをインストールできたら、次に Echo の電源を入れます。初回は、ACアダプタを本体とコンセントに差し込めば、電源が入ります。

Echo が起動すると、音楽と共にアレクサ(AIの名前)の声でアナウンスが流れます。基本的に、この後はアレクサと、スマートフォンアプリの指示通りセットアップを実行すればOKです。

詳細な手順は割愛しますが、注意点があります。

セットアップを始める前に、念のために「マイクミュート」と「音量ダウン」のボタンを20秒ぐらい同時に長押しします。これにより、 Echo 本体がリセットされ、セットアップ可能状態となります。何故わざわざリセットするかというと・・・。LEDの状態を見てセットアップのプロセスを開始しなければならないのですが、LEDの状態は全盲では認識できません。なので、とりあえずリセットしておけば、うまくいきます。

あと、ヘルプページにのトラブルシュートにも記載がありますが、 Wi-Fi を暗号化している場合、暗号化方式は WPA-PSK もしくは WPA2-PSK のどちらかに固定する必要があります。ルータのデフォルト値とか、意図的な設定で、 WPA-PSK と WPA2-PSK をミックスして使っていると、うまく Echo を Wi-Fi に接続することができません。

Wi-Fi に無事接続できると、セットアップは完了です。初めて使う人向けのビデオをひとしきり再生させられて終了します。ただ、私の場合、ビデオがいくらやっても再生されず、次の画面に進めなかったので、一度アプリをクローズしてしまいました。それでも、セットアップは完了していたので、同じようにビデオを再生できない方は、アプリを落としてしまって問題ありません。次にアプリを開いたら、正常に設定などが行えます。

Echo の設定

各種の設定も、セットアップに使ったアプリを用います。設定方法や項目についてはヘルプをご覧ください。

ここで、 iOS + VoiceOver でアプリを操作する場合の注意点を書きます。

ざっくり書くと、アプリの画面はWebのような構造になっています。なので、サファリでWeb閲覧する感覚で操作可能です。

ただし、一部、リンクやボタンをダブルタップしても、うまく反応しているのかどうか分からない場合があります。

例えば、 Echo には、話しかけることで Amazon から商品を注文できる機能があります。この機能の設定画面で設定変更した後、「変更を保存」というボタンをダブルタップするのですが、特に画面が変わった様子もなく、「保存しました」のようなメッセージも確認できません。それでも、一応設定は保存されています。ひょっとしたら私の操作方法がまずいだけかもしれませんが、他の画面でも同じような事象を確認しています。

スキルの有効化は難儀

Echo というかアレクサは「スキル」と呼ばれるものを有効化することで、機能を拡張することができます。スマートフォンのアプリのようなもので、いろいろな会社からいろいろなスキルが提供されています。

スキルを選んだり、有効化したり、説明を読んだりする画面も、サファリと同じように操作が可能です。ただし、 VoiceOver 特有の事象なのか、ちょっと難儀が点があります。

その「難儀な点」とは、スキル名のリンクをダブルタップすると、詳細画面に切り替わるときと切り替わらないときがある、ということです。どういう理屈でそうなってしまうのか不明ですが、あるスキルの詳細ページで、スキルを有効化したり説明を読んだ後、別のスキルの詳細ページを開こうとしてリンクをダブルタップしても、詳細ページが開かないことがよくあります。一方で、タイミングによっては、リンクのダブルタップが正常に動作して、いくつか連続でスキルを有効化できるときもあります。

地味にイラッとくる動作なので、Amazonにはあとでフィードバックしておきます。なので、後々には改善されるかもしれません。

スピーカー性能

ここからは主観的なことになります。

アレクサについての評価はレビューでたくさん見かけますが、スピーカーとしてのレビューは少ないような気がします。

私の耳で聞く限りは、「値段相応だけど個人的には好きな部類の音」です。ミドルレンジの音は弱めですが、ハイとローはしっかり出ています。どちらかというとローも弱めかもしれません。また、音量をそれなりに上げれば、各楽器の音色もそれなりに聞き分け荒れます。まあ、クラシックには向かないと思いますが、ポップスやロックを聴くには悪くないスピーカーです。

あと、無指向性スピーカーなので、部屋のどこにいても、結構よく聞き取れます。遮蔽物があるとその限りではないものの、向きを気にせず設置できるのは利点だと思います。

まとめ

Echo そのものの使い方について、全く触れないレビューとなってしまいましたが・・・。そういうことは参考リンクのセクションで挙げるレビュー記事の方が、よっぽど参考になりますので、そちらを参照してください。

本当のところ、Echo が届いてまだ1日しか立っておらず、まだまだ使いこなせていません。が、なかなか面白い製品だと、個人的には思います。私はスタンダードモデルにしたのですが、最上位の Echo Plus と、対応する家電(照明器具とか施錠する器具など)をセットで買うと、なんでも声で操作できて、堕落した人間が製造されてしまいそうですね(笑)。

今後について考えてみると、たぶん、現段階ではアーリー・ア ダプターの層がAIスピーカーに手を出している段階で、 Echo が普及するかどうかはよく分かりません。ただ、話しかけた内容はおそらくAmazonがデータベースに蓄積しているでしょうから、ユーザーが増えれば増えるほど、この手の製品の応答精度も上がっていくはずです。GoogleのようにAIそのものをプラットフォーム化して、自動車とかに積む計画があるのかどうか知りませんが、他のAmazonプロダクトにもアレクサは積まれているので、おそらく、Amazonのあちこちにアレクサがやってくることは間違いありません。後は、Google含め、他のAIプラットフォームと競争して、どこかデファクト・スタンダードになるか、あるいは共存していく形になるのか。こういった点を気にして同行を見ていきたいと思います。

最近LINEも合わせ、立て続けにAIスピーカーが登場していますが、ヒューマン・インタフェースとして見た場合、まだまだ「ガジェット好き」とか「新しい物好き」の人々のおもちゃに過ぎない、という感じもします。IoTの先駆けの一つといえば、そうなのかもしれません。が、昔あったユビキタス構想のような社会が来るには、もうちょっと人間に近いレベルのインタフェースに落とし込んでいかないと、多くの人にはなじまないでしょう。

あと、 Echo でいえば、ショッピングするには、やはり音声インタフェースだけじゃきついです。ある意味全盲にとって、商品を順番に読んでもらうことは、そう特別なことでもありませんが、やはりPCやスマートフォンで商品をガサガサできた方が便利です。ここらへんは、利便性を追求する方向にいくのか、それとも以下にアレクサに最初に商品を読み上げてもらうかという、検索の最適化に重点が置かれていくのか、興味深いところでもあります。

と、「まとめ」としておきながら、個人的な意見ばかり書いて、すみません。

参考リンク



「日本版「Amazon Echo」を全盲なりにレビューする」への1件のフィードバック

  1. 「アレクサ、何かある?」と聞いてみてください。あまり知られていない機能なんですが、USの”What’s Up?”にあたるキュレート・ニュースが流れますよ。

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