こちらは久しぶりの更新となりますが・・・。

ひとまず、就職が決まったのでご報告します。ええ。11月から働きます。

思えば、2008年に大学院を辞めて、今年は2社も会社を辞めて・・・。振り返ると「自分には学習能力が欠如している」ということを身にしみて感じるのであるが、そうであっても、肝心なところでは運に恵まれている境遇だなあとしみじみ感じるわけである。こういうことは、この先ないだろうと思うので、まあ、正論はいろいろあると思うけれど、とりあえず、頑張っていきたいと、そう思います。

さて、Twitterでも一瞬言及したのだけれど、以下の記事を読んでいろいろ思うところがあったので、メモ程度に書いておこうと思う。

「同じ会社で定年まで勤め上げる」ことは、ただの自己満足です

これは、タイトルから想像できるように、「定年まで同じ会社で働く」ことについて批判的な論調を展開している記事えある。あまり正確で無い要約をすると、「同じところにいると価値観も固定されて何も変革できないし、新しい出会いもないから、いろいろな会社で働いた方がいい」ということのようだ。

私自身は、この意見に賛成である。同じ組織に所属して同じ空気ばかり吸っていると、考え方も保守的になるし、おそらく外界の動きにも疎くなってしまう。何より、記事の中でも触れられているように、リストラなど、意図せず会社を辞めなければならなくなったときに、食っていく手段を身につけられない。そうなったときに、「自分の何を売り込んで仕事を探せばいいのか」ということについて、考えすぎて眠れない日々を送ることになるだろう。

しかしながら、一般的には正しい意見だと思うのだが、障害者については、ちょっと当てはめるのはつらいかなあという印象である。

「障害者が働く」ということに関して、いつかこのブログでも書いた気がするけど、まずは「就職すること」がゴールになっているという現状がある。実はスタートラインに立つことなんだけど、すでにゴールなのだ。

その状況は、全体的にはここ数年で改善してきているようではあるが、障害別、及び、障害等級別で比べると、おそらく微妙だろう。端的に言えば、軽度障害者の就労は着実に進んでいるが、重度障害者の就労は水準を維持または悪化していると考えられる。これは統計的な資料に基づく意見ではなく、私がネット上の情報を読んだり、実際に就職活動してみて抱いた推測であることに注意して頂きたい。

事実はどうか知らないが、「私の推測は正しいだろう」という前提でこれからは書くことにする。また、本記事中、特に断らない限り、以降は「重度障害者」をさして「障害者」と呼ぶことにする。

さて、ここで検討したいのは、「障害者にとって次のどちらが良いのか」、ということである。

  1. 同じ会社で働き続ける
  2. 理由はなんでもいいが、転職や転社に積極的にチャレンジして自分を磨く

まあ、先に結論を言ってしまうと、どっちが良いのか分からないし、人それぞれ向き不向きがあるので、なんとも言えない。だけれども、考えるのである。無駄に考えることこそがこのブログの趣旨なので、考え得るすべてのことを(と言っても、酔っ払った私から引き出せることなど大したものでもないが)、無理矢理考えてみたいと思う。

まず1番目の「同じ会社で働き続ける」ということ。リンクした記事でこてんぱんにやられていたので、デメリットについての考察は控えるが、じゃあ「メリットって何?」という話である。

第1に、経済的には安定する、ということが考えられる。ただし、これは必ずしも正しくはないけれど、障害者を雇用することに取り組んでいる企業は、結構体力があるので、ほとんど正しいと思われる。というか、ある程度体力があって、コンプライアンスの締め付けがきついという事情がなければ、なかなか障害者雇用をやっている余裕は無いんじゃないだろうか。

第2に、障害者の社員は自分のペースで仕事がやりやすくなる可能性がある。人事担当者とか管理職の人には申し訳ありませんが、その会社で、ある障害種別の人を初めて受け入れたような場合、ほとんどのことはその「初めての障害者の人」が基準になるので、まあ、障害者からすると、いろいろごまかせる。すいません。ごめんなさい。

第3に、これはちょっとどうかな?と思うけれど・・・。順応してしまえば、いやな思いをすることが減るかもしれない。長いこと同じところにいれば、良い意味でも悪い意味でも周囲は障害者への理解が深まるはずだ(環境にもよるけど)。で、個人差はあれど、障害者自身も、生き抜く術を身につけてうまく立ち回ることができているはずだ。そういう前提が無いと、長く同じところで働くことは、たぶん難しいと思う。だから、これをメリットと言っていいのかどうか分からないけれども、そういうことである。ここらへんは、障害というよりは、単純に人として溶け込めるかという話なので、あまり障害の有無は関係ないかもしれないが・・・。

あと、なんというか、こういうことを書くと、私が怒られたり、あるいはショックで寝込んでしまう人がいるかもしれないので、この先を読むことについては慎重になって頂きたいのだが・・・。

企業が重度障害者を雇用する理由は、おそらく次の二つに大別されると思う。一つは「障害者の雇用数のカウントが大きい」ということ。もう一つは「結構マジで障害者を活用しようと思っている」ということ。もちろん、これは私個人の勝手な思い込みだし、こういう問題は白黒付けられるものではなく、むしろファジィであるから、このような二元論では片付かない。けれど、あえて書いている。

どちらの理由にしても、重度障害者を雇用することは、はっきり言ってリスクである。ぜったい怒られると思うけど、あえて書くけど、「動くかどうか分からない車を買わされる」のと、あんまり状況は変わらないんじゃないか?いろいろなところで障害者雇用について「障害の程度は千差万別なので、一人一人に合った配慮をうんぬんかんぬん・・・・」という説得がされるようだけれども、経営側からすれば、ROIが計算できないんだからそんなもんリスク以外の何物でも無い。

しかしながら、そこでリスクを取るということは、さっきのように、雇用率を引き上げるのに使えると思っているか、人事担当者が熱い思いを持っているかのどっちかなんだと思う(思い込み)。

で、これは実感であるけれども・・・。視覚障害者である私が就職活動していて、きちんと話を聞いてくれた企業というのは、ぶっちゃけ、ほとんどなかった。一応、それなりに名の知れた会社でそれなりの期間働いていたのに、である(まあ、そういった点は実力主義の世界ではどうでもいい話)。未だに「視覚障害者はお断り」という企業さえ有った(もちろん、文句はたれておいたが)。

私の場合、結果的には2社ほど良いお話を頂くことはできたものの、エントリーした会社は、合計すると30社以上。まあ、これでも少ない方だわね。余談だけれど、この数字、10年前の視覚障害者の就職事情を加味してもちょっと少ないと思うが、今では健常者の人たちも30社とか50社とか100社とか応募してもだめなことが多いというのは・・・。悲しい世の中だ。

そういうことも考慮すると、個人的な感情としては、今回拾ってくださった会社や職場の担当者の方々には、大変お世話になり、そして、感謝をしておりまして、もう、なんというか、個人的には、「骨を埋めるつもりで働かないといかんなあ」という気持ちであります。すいません、ごめんなさい。最初の就職のときは、こういうリスクとか、そういうのは、あんまり頭にありませんでした。これからは一生懸命頑張りますから、ごめんなさい、ああああああああああ!

おっと、なんか話が逸れてきた。まずい徴候だ。Next please.

話は元に戻って・・・。

今検討していることの二つ目、「理由はなんでもいいが、転職や転社に積極的にチャレンジして自分を磨く」ということはどうか。メリットについてはリンクした記事に書いてあるので省略。

で、デメリットなんだけれども、おおざっぱに言えば、「健常者に関する一般論を障害者に適用するのは危険」ではないかと思う。すべてがだめだということではなく、「前提条件とか現状に相違点があるから注意が必要」という意味である。

具体的には、まず、そもそも障害者が置かれている状況として、「実力や努力や意欲に適合する受け入れ先が少ない」ということが言えるのではないか。これはマッチングとは少し違って、歴史的なたとえで言えば「女性の普通教育」みたいなものだ。要するに、門戸が開かれていない。そういうと大げさかもしれないが、私なりの考察を付け加えて言い換えれば、「一般的な中途採用者に対する期待値に比べて、障害者を中途採用する場合の期待値は、どうしても下げざるをえず、結局受け入れる環境を整える方向に力が働かない」ということだ。

また、こういうことを書くと怒られるだろうし、ショックを受ける人もいるかもしれないので、読者の皆さんは慎重になって頂きたいのだが・・・。

一度でも障害者採用をやったことがあれば経験的に分かると思うけど、障害者の育成は大変難しい。育てる側に経験が無いというのもあるし、当事者にとっても、障害の内容によっては成長が難しい部分もある。例えば、全盲にUMLで設計書を書けと言っても無理だし、全盲に紙の伝票を仕分けしろと言っても無駄だ。それで、そういうことを経験的に学習した企業は、障害者採用に慎重になる。リスクを軽減させるために、より軽度の障害者を雇って、自分たちの管理がしやすい方向へ方針を切り替えることも想像に難くない。

これが、新卒だったら、会社で育てていく覚悟を、ある程度は持てるかもしれないが、中途採用の場合は即戦力として会社の利益向上に直接的に貢献することが求められるわけである。すると、中途での障害者採用を見送ったり、あるいは軽度の障害者をルーチンワークをやらせる目的で雇ったりする感じになるのは、まあ、会社の立場からは理解できる。

こんな感じで、障害者がキャリアチェンジする場合は、たぶん裾野が狭まっているんじゃないかと思っている。まあ、妄想かもしれません。

それから、障害者の立場から考えても、デメリットがあることに触れておきたい。

それは、環境に適応するためのコストが大きいということである。先に述べたことと重複するかもしれないが、何にしても、職場に配属されたときに、高い水準で周囲の理解が得られるケースは少ないと思う。簡単に言えば「慣れるのに時間がかかる」のだ。

それこそ「障害は千差万別」というのが、あながち嘘でもないような感じである。障害の有無以前に皆人間なんだから、障害に対する配慮についていろいろ意見が異なったりすると思うが、障害者はそういうことをいちいち職場の人に説明しなきゃならないし、説明したところで理解が得られる確証はない。さらに、建物の設備や支援機器の導入が新規に必要な場合、それをどの程度受け入れてくれるかは会社の考え次第。仕事の内容や待遇ばかりに目がいって、そういった環境面で失敗するリスクも、当事者は考慮すべきだ。

ああ。安酒を飲んでいたら、だんだん胃が痛くなってきた。

そういうわけで、ほら、言ったでしょ。どっちとも言えないのです。なんか、この文章の流れだと、「同じところで働くのが良い」という結論になりそうだけど、それは俺が今そういう考えだからであって、実際は人それぞれ、いろいろあるんだよ。きっとね。

だから、もう一度言います。ごめんなさい。ほんと、すいません。これからは真面目に働きます。疲れない程度に。作業の進め方については手を抜きますが、成果物の品質については妥協せず頑張ります。

なんか、「結局この文章はなんだったんだ?」と、小一時間問い詰めたくなるような感じではあるけれども・・・。もう酔っ払ってきて、どういう風に収束させたらいいんだか分からなくなってきましたから、もう終わりにするわ。すいません。真剣に読んでいた人ごめんなさい。僕はこういう無責任な人間なんだ。教育実習の担当だった先生に「今、私、夫と家庭内別居状態なの」とか言われても、今の俺ならもう動じない。昔の俺は腰が抜けました。ごめんなさい。

こんなの、載せていいのかしら。まぁいいか。一応匿名だし。現代では、そう思っていても、割と簡単に個人が特定されちゃうから怖いもんだ。まぁ別にいいけど。さらしたりしないでね♪