「いやよ、いやよも好きのうち」とよく言うが・・・。いやなものはいやだと思うのだけれども、どうも、女の子にとっては、結構当てはまるらしい。

とある女子の発言。「相手のことを悪く言うってことは、それだけ相手を観察してるってことだから、なんだかんだで好きなんだよ。」

なるほど、一理ある。何かの記事で「告白は2回目の方が成功率が高い」と書いてあったし、韓国の女性は男に告白されても必ず一度は断るらしいし・・・。男が嫌われているように感じたとしても、意外とそうでもないのかもしれない。

また、こういう話もある。私の叔母のことだが、彼女は「ハゲが大嫌い」だそうである。旦那さんとも、ハゲてきたから離婚したらしい(たぶん冗談だが)。いずれにしても、ハゲは大嫌い、ましてや自分と同じ年代の男なんてみんなハゲてるからいやだ、ということ。

しかし、最近職場で仲良くなった人は、ハゲてるそうである。そして、悲しいことに、叔母は最近ハゲてきた。

以上のことから・・・。普通に考えると、何も導けるはずはないが、俺はマジックが使えるので、一つの公理を見いだすことに成功した。

相手の悪口ばかり言ってる女性も、ハゲてる男は嫌いと言ってる女性も、やっぱり「いやよ、いやよも好きのうち」なのである。

相手の悪口を言うというのは、それこそよく観察してる証拠だ。何故ならば、直接的に被った被害を訴えるのと同時に、その根拠となる相手の行動様式を示すことで説得力を作るために、日頃から相手を観察するからである。そのうち、何も考えずに相手を見ていたときより、確実に深く相手のことを知るようになり、意外な一面を目にして、考えを改める場合もある。

一方、ハゲが嫌いだとはいえ、プライベートはともかく、職場にハゲた男性がいても、その男性と全く共に過ごさないわけにはいかない(業務をやるということ)。ハゲた男性と業務を通じて接することで、「ハゲててもちゃんと仕事はやるんだ」とか「意外とおちゃめだ」と思う瞬間が巡ってくる(叔母の体験談)。すると、たまに職場の飲み会で同席したときに「ハゲだから」という理由で、その男性との会話を排除するようなことはなくなる。むしろ、「ハゲ」以外のところで好印象を持てば、だんだん「ハゲてること」は気にならなくなる(これも体験談)。

すなわち、嫌いなものについては、好きなものと同じぐらいに細かいところを観察し、愛情を持つこともあるということだ。

だから、「いやよ、いやよも好きのうち」ということなのである。俺は、いやなものはいやだが・・・。