最近、IT系の大企業にいると、トレンドというか、世の中の動きに取り残されるのではないかという不安感に襲われることがある。もっと厳密にいえば、日本で育った大きな企業のIT関連グループ会社で、ということだ。

完全に創造の話であるが、ITを事業として持っているようなグループ会社がなければ、ITシステムをグループ会社に依存することはない。例えば製薬会社がグループ企業としてITをやっているところを持っていなければ、ITシステムの導入については基本的にソリューションベンダーに委託することになる。しかし、もともと家電や工業製品のメーカーだったのがIT関連企業をグループ内にたくさん保有するようになると、グループ会社はグループ内の製品を使うようになる。そのグループの製品がシェアの高いものならいいが、シェアが大きくないような場合、世の中でシェアの高い製品に触れることもなく、日々を過ごすことになる。

具体的な例を挙げると、一般的に通じることとして「ERPならSAP」みたいな概念があることは分かるけど、実際SAPの製品なんて使ったことないからよく分からん、という事態が発生しかねないということだ。

もちろん、自社あるいはグループ会社の製品を積極的に取り入れて営業活動に繋げていくのは大事なことだし、むしろ必要である。が、やっぱりそれだけじゃ生き残ることはできない。まぁ、Oracleの社員がPostgreSQLを進めるようなことはまずいけど、グループ会社の製品より競合他社の製品の方がいいと判断したら、他社の製品を提案するのも、必要なことではないだろうか。

なんでこういう抽象的なことを書くかというと、具体的な会社名を書くと俺がどこに勤めているかばれるから書きたくないのである。つまり、少なくとも俺はOracleやMySQLの社員ではない。が、日本で育った大企業のグループ会社で働いている。で、自前で構築したその場しのぎの社内システムを目にする度に、上記のような不安感が募っていく一方なのである。

でも、SAPのシステムを使ってみたいと思っても、そんなもん個人で買える金額じゃなし、だいたい個人レベルで何に使えばいいというのだ。いや、まぁ別にそんな必要は今のところないのだけれど・・・。