昨日の話。

また散歩に出たのだ。今日はアパートの前の道を、まっすぐ行けるだけ行くという目標を持って。

しかし1ブロック進んだだけでT字路になっているではないか。すでに計画が破綻してしまった。しょうがないので1本北の道を進むことにした。

でもこれといって何もないので、適当なところで右へ曲がって、どんどん住宅地の奥へ進んで行く。この時点では、だいたいの方角を把握していれば家に帰れるだろうと楽観的な予測をしていた。そのため、本当に適当に角をあれこれ曲がりまくって進んだのである。

あるところで線路を走る電車のような音が聞こえた。歩き始めて30分ぐらい経ったころである。ついに別の路線を発見したかと思ったが、音を聞く限り少し遠そうだ。そこで、音の聞こえる方へとひたすら進むことになった。

ところが、進んでも進んでもそのような線路は現れない。ひたすら道が続いているだけだ。途中でそれなりに交通量のある道に出たけれども、そこを渡ったところで線路にたどり着きそうもない。少し上ったところで聞こえた音だったので、聞き間違えたのだろうか。とりあえず、この辺で帰ることにした。

のだが、これだけグチャグチャに進んできては帰り道など分からない。とりあえず俺の家があると信じている方角を目指して歩き始めたのだが、うーむ、本当にこっちでいいのだろうか・・・。

途中行き止まりに阻まれながらも、家があると信じていた方向へ歩いていると、それなりの交通量のある道に出た。歩道もある。ここはうちの近くの大きな道かもしれないという淡い期待を持ちながら歩いてみたが、その割に歩道の幅が狭いし交通量が少ない。

ある程度のところまで歩いたとき、後ろから声をかけられた。なので「ここはどこですか」と聞いてみると、J町7丁目だそうだ。一応市内のようだが、どこだ?どうやって帰ればいいんだ?試しに「S町(俺の家のある町)ってこっちの方ですか」と尋ねると、どうやらこの道ではS町へは行きにくいらしい。むむむ、困った。

とりあえず元来た道を戻って、横断歩道へ着いたらまたそこで聞いてくれと言われたので、頑張ってさっき歩いてきた道を戻って横断歩道までやってきた。がだれもいない。というか、人は通るけれども、チャリだったり、電話してたりするので聞きにくい。勇気を振り絞って左へ曲がり、また適当に進み始めた。もう、どうにでもなってくれてかまわん。ちなみにこの時点で歩き始めて1時間経っていた。

何度か角を曲がるうちに、今度こそ大きな通りにでた。歩道の幅も広く交通量もある。路面の状況はうちの近くの大きな道と似ているがたぶん違うだろう。となると、ここはどこだ?どうやって帰ればいいんだ?

いよいよ途方に暮れるときがやってきたようだ。俺はこのまま路上で行き倒れになってしまうのか・・・。

大きな通りならだれかいつか声をかけてくれるだろうという期待を寄せながらその道を歩いていると、バス停を発見した。Mシティーバスらしい。M駅行きのバスがきているが、そんなのに乗ってもしょうがないのだが・・・。

通り過ぎて信号を渡ろうとしたのだが、思い直してバス停の前を行ったりきたりしてみる。迷っている風をアピールするのがねらいだ。だがむなしすぎる。誰も声かけてこない。お前らいっぺん死ね!

ここで、そのMシティーバスのバス停の隣に別のバス停があるのを発見した。そこにはK駅行きがくるらしい。

ここで俺はとある仮説を立てた。ひょっとしたらこの継投のバスでうちに帰れるのではないか。

まず、うちのそばには小田急のバス停がある。そこからは、S町とK駅を結ぶ継投、S町とM駅を結ぶ継投の2系統のバスが存在している。ということは、今いるバス停にK駅行きが停車するということは、前者のS町からK駅への継投である可能性がある。

次に、K駅行きが停車するバス停は、S町からK駅への傾倒だけではなく、M駅の方からK駅へ行く継投という可能性も考えられる。従って、今俺がいるバス停は、S町からくるバスが止まるか、M駅から来るバスが止まるかのどちらかである可能性が高い。

最後に、M駅からK駅へ行く継投が止まるバス停には、M駅からS町へ行く継投も停車する。

まぁ、これはこのバス停に止まるバスが小田急バスであることが大前提なわけだが、俺はこの可能性に賭けることにした。

考えられる可能性は2つ。このバス停がS町方面からくるバスの停留所である可能性と、M駅方面からくるバスの停留所である可能性だ。M駅から来るのであれば、こちらのバス停にS町行きが来るかもしれない。そこで20分ほど待ったが、K駅行きが3本きただけで他はこなかった。

その時点で1つの可能性を捨て、反対方面のバス停で待つことにした。横断歩道を渡って反対側の停留所で待つこと5分。バス停のスピーカーから「S町行きのバスが2つ前の停留所を発車しました」という音声が流れてきた。俺の勝ちだ。さんざん迷ったが、とりあえず家に帰れる。

結局、バス代210円が無駄になったけれども、帰ってきましたよ。

と、昨日はこれだけじゃ終わらなかった。

ちょっと疲れたので帰りに和食レストランで食べてきたのである。ピザ、ポテト、ビール、日本酒を飲んで。そうしたら会計が2,027円だったのだが、うむむむむ、67円足りないではないか!!困ってしまってワンワンワン。

それなりに顔を知っている店員だったため素直に事情を話し、「下ろしてくるんで待っててください」と財布を預けて銀行へダッシュ!まぁダッシュは気持ちだけ・・・。無事金を下ろしてレストランに戻ってきたのだが・・・。

2,027円を払うのに、とりあえず3,000円を出した。それから細かい金で27円出した。そしておつりを1,000円もらった。

このときはぜんぜん疑問を抱かなかったし、その後このことを考えもしなかったのだが、ぶっちゃけ次の日、よく考えたらすごいあほな金の出し方をしていると気づいた。1,000円のおつりに、俺はなんの抵抗も感じなかったが、これ、ぴったり払えたということでは?千円札を3枚出す必要はなかったのでは?

僕は馬鹿になってきたようなので・・・。うー、困ったワン!