数日前のことである。面接の帰りに南部線に乗ったのだが、近くにいたカップルがこんな会話をしていた。大学生ぐらいだと思われる。

男: 「南部線の風景ってさ、すごく閑静だよな」 女: 「閑静って何?」 男: 「え?閑静?それはつまりだな、ええと・・・、昔ながらの感じでおちつくってことだよ」 女: 「なんだ知らないのかよ~!自分が知らない言葉は使うなよ」 男: 「別にいいだろう。とにかく、いい風景だって言いたいんだ、俺は」 女: 「ふーん。で、それって慣性の法則の慣性と違うの?」 男: 「あほか、違うに決まってるだろう。慣性の法則って何か知ってるのか?」 女: 「動いてる物体がキュキュキューって急ブレーキするやつでしょ」 男: 「まぁ言いたいことは分かるよ。なんとなく伝わるよ」 女: 「それで合ってるの?」 男: 「違うよ。慣性の法則ってのは、動いてる物体に力がかからないと、だんだん動きが遅くなって最後には泊まるって法則だよ」 女: 「ほんとかよ」 男: 「ほんとだよ」 (以下略)

やばい、やばすぎる!笑いをこらえるのがつらすぎる。

まず前半の女の主張「知らない言葉使うなよ」には大いに賛成。しかも男は勘違いしてる。「閑静」というのは「町の騒がしさが聞こえず物静かな様子」である。確かに南部線の周辺は閑静な住宅街が多そうだけど。

そして、そこから慣性の法則に持っていったのは、ある意味いい反応だろう。いつだったかの「重力のWは "Would you like" の W なんだよ」と言っていた女よりはましと言ってやってもいい。

けれど、「キュキュキューって急ブレーキ」って・・・あんた・・・もうちょっと大人らしい表現はできなかったのか?っていうか、物体は車だけじゃないんだぞ。

おまけに二人とも慣性の法則を完全に勘違いしている。高校で物理はやらなかったんだろうか。慣性の法則というのは、物体に力が加わらないとき、運動している物体は等速直線運動をし、静止している物体はそのまま静止する、という性質のことだ。あの、動いている物体が止まるというのは、なんらかの力が加わるから止まるんですよ。

ウプ!すいません。ごめんなさい。いやでも、若いっていいですな~。あぁやってどうどうといい加減なことを言えるとは・・・。

彼らから、「電車とかで物の説明をしたり知識をひけらかす事はやめよう」という教訓を学びました。アーメン。