「大阪の事件と障害者に対する社会の複雑な視点」

 ちょっと前に大阪で、男が子供を歩道橋から投げ落とす事件があった。犯人の男は作業所に通っており、軽度の知的障害だか精神障害があったようで…。
 この事件が報道されて間もない頃は、メディアで「こんな男を野放しにするなんて信じられない」とか、「前科があるのに作業所の職員は何をしていたんだ」とか、そういう意見をいうコメンテーター、ニュース番組の司会者が多くいた。同時に、「知的障害者がこのような犯罪を犯すと誤解されるような事になるのが心配である」と述べている人もいた。
 俺は、この事件に関して非常に複雑な思いなのである。というのも、確かにこの男は犯罪を犯したが、軽度の知的障害であれ、精神障害であれ、彼は障害者であったのである。悪い事は悪いときちんと教育しなければならないし、ましてや以前に実刑までくらっている男なんだから、監視を徹底して再発を防止する義務が作業所側にもあったのかもしれないけれど、犯人は障害者なのである。
 もちろん彼が障害者だから犯した罪が軽くなるとか許されていいとか言うようには思ってない。ただ、そういう事を何も考慮していないかのように「作業所が悪い」などとのたまうテレビ番組の司会者やコメンテーターが許せない。俺は、むしろ実兄を受け手いるにも関わらず彼を受け入れていたその作業所の関係者は社会的には高く評価されるべきであると考えている。まぁ、事件が起こってしまったからには100点という訳にはいかないだろうけれど。

 あと、これとは関係ないけど、今日のラジオの人生相談で、妊娠中に医者から「あなたたちのお子さんは障害を持ってるかもしれない」と言われた夫婦が、妻の両親にその事を話した所、その母親が「障害者はこの世に必要ない。お腹をたたいてでも下ろせ!」と言ったのだが、どうやってその両親と接していけば良いか、みたいなのをやっていた。なんでも相談者もその妻も福祉関係の仕事をしているとかで、相談者である旦那は障害者心理の講義もしているとか。そんな仕事をいるにも関わらず妻の母親から障害者差別みたいな発言を聞いたので、とてもショックを受けたとか。
 ぶっちゃけ、「そういう人もまだいるのね」というのが正直な感想だった。何十年も前だったらそういう封建的な考え方がまかり通っていたかもしれないけれど、今のご時世、そんな事を言ってる人間なんていないと思ってた。まぁでも実際いるようで…。さっさと死ねばいいと思います、そういう人は。…ごめんなさい!つい本音が…。
 まぁとにかく、自分も障害者だけど、いろいろ問題は難しい訳で…。なんていうか、これからどうやって障害者は生きていけばいいの?町を歩いてるとちょくちょく援助してくれる人はいるけど、上に書いたように「障害者はこの世に必要ない」とか思ってるやつらはどれぐらいいるんだろうか。気になるし、正直な話障害者は健常者に比べて相対的な人数も絶対的な人数も少ない訳で、「何こいつ、うぜえよ」とか思ってるやつの方が多いんじゃないかとか思うと、…あぁぁ!っていう感じになっちゃうんです!
 もちろん障害を理解してくれている人や何一つ分け隔て無く接してくれる人もいるのは事実。あぁ、なんかわかんないよ〜!