修学旅行日記(その2)

 6時半に、いきなり教員がきて「おはよう」とか言われて起こされた。
一昨日徹夜した上に、昨日4時間ぐらいしか寝ていないので、結構目覚めは不機嫌だった。
身支度を済ませて、7時から朝飯だ。
スクランブルエッグが出たので、迷わずEにあげて、代わりにバナナをもらった。
 8時頃ユースホステルを出て、野鳥の森とかいう所の近くまで行った。
ここでは、資格を持った人が、鳥を100匹ぐらい捕まえてきてくれて、それらを触らせてくれたり、鳥の鳴き声から種類を判別したりという事をしてくれる予定になっていた。
予定通りガイドの方が100匹前後の鳥を連れてきてくれて、それらを触る事ができた。
どれもそんなに大きくなかったが、鳥って暖かい。
人間よりもたぶん体温は高いと思う。
どの鳥もなかなかかわいくて、思わず飼いたくなってしまったが、それはどうも違法なのでやめておこう。
 一通り鳥を触り終わったら、鳴き声を聞く事に・・・。
残念ながらこの時期に鳥はさえずらないので、とりあえず鳴き声を聞くだけだったが、俺はどの鳴き声を聞いても同じに聞こえる。
けど、ガイドの人は「これはなになに、あれはなになに」と鳥の名前をどんどん言い当てていく。
それが合っているかどうかも俺は分からなかったが、専門家がいうんだからそうに違いないだろう。
たまにそういう先入観を持っていると、大変な目に遭う事もあるけれども、たぶん大丈夫だ。
それから生態系の話とかに発展していって、とりあえず鳥も人間も生き物だから共存していかないといけませんよ、というので話はまとまった。
 鳥の話が終わったら、また貸し切りバスで別の場所へ向かった。
今度行くのは、アイヌ関連の所で、ポロトコタンというらしい。
なんか、ポロトコタンって面白いが、万人受けしなさそうなので、あえて ポロトコタン について掘り下げるのはやめておく。
 11時頃ポロトコタンに到着した。
はじめに、アイヌの人たちが漁に出る時に使っていた丸木船に乗せてもらう事にした。
普段の観光客などは乗せないらしいのだが、生徒15人だけだという事もあって、特別に許可が下りたそうだ。
3人乗りで、俺たちは座って乗ったのだが、恋でいる人はずっと立ったままだ。
なぜ座ってこがないのかと質問すると、あくまでも漁をするために船を出すのであって、座っていては魚とかが見えないから、こうして立ってこぐという話だった。
座っていても結構揺れて、後ろに乗っていたAはあまり面白そうではなかったが、なかなかいい感じだった。
でも、恋でいた人は、だいたい10分ぐらいのコースを7,8回回るのだから、結構疲れるんだろうなあ。
 丸木船から降りて、作りかけの丸木船なるものや、アイヌの人たちの倉庫・住居などをみてから、昼飯を食う事になった。
今日の昼飯はアイヌの郷土料理。
三平汁や稲キビご飯、変わった団子やお茶をいただいた。
後鮭の串焼きもあったが、どれもこれもうまくて感動した。
やっぱり鮭は本場という事もあり、ほんとにうまくてたまらなかった。
 飯を食ってからは、アイヌ民族についての説明。
といっても、当時使われていた道具や衣装などを直に触って、アイヌの人々を感じるというもので、なかなか見れないものを触る事ができてなかなかよかった。
それから、伝統芸能をいくつかみて、とりあえず休憩。
なんか、「ウポ」とかいう踊りがあって、これも ポロトコタン 並に面白くて、思わず吹き出しそうになってしまった。
 その後、ムックリ制作体験というのをやった。
アイヌの民族楽器であるムック利を、自分たちの手で作って鳴らしてみようという企画だ。
でも、彫刻刀で削ったりするところが細かすぎて、線が見えない俺たちはかなり苦戦した。
結局、みんな係の人とか先生にやってもらったりしていたが、とりあえず完成。
今度は鳴らす方に力を入れ始めたが、うまいやつはほんとにうまい。
俺はというと、全くならない。
「これは楽器のせいだ!」とか思って、係の人にやってもらったらかなり上手に鳴らしてくれたので、俺はもうむきになってだいぶ練習しまくった。
でも、やっぱり最後まで鳴らなかった(むなしい!)。
 ムックリ制作体験も無事終わり、ポロトコタンも去らねばならない時間となった。
このとき3時で雨が降り始めていた。
どうも、台風が近づいているという話で、今晩当たり北海道にやってくるらしい。
全く、なんで今週に限って台風なんてくるんだろうなあ。
 あまりおみやげをみる暇もなく、バスは洞爺湖の宿泊施設に向けて出発した。
今日泊まる所は、学校の野外活動とかでよく利用するような、少年自然の言えとか、そういう感じの施設である。
修学旅行なんだからもうちょっといい所に泊まりたいとか思ったが、宿泊料をただにしてもらったという事だったので文句は言えない。
だいたい5時ごろ到着して、オリエンテーションとか施設の決まり事とかの説明を受けた。
どうも、シーツのたたみ方やふとんのたたみ方、ゴミ出しの方法などルールが大量にあって、なんだかめんどくさそうだった。
で、飯の時間になったので、腹を空かせて食堂へ。
 なんかテーブルに並んだのは・・・寮の飯とあんまり変わらない。
しかも量がやたら少ない。
ご飯と味噌汁はおかわりできるといっても、これじゃあとても足りそうになかった。
メニューはあえて書かない。
とりあえず食って、ご飯と味噌汁おかわりして、なんとか空腹は満たされた。
 部屋に戻って、しばらく休んでいると、いきなりEがベッドに入ってきて、なんかいろいろやってきた。
あちこちでそういう光景は見られるようになっていて、修羅場とかしていたベッドも少なくなかった。
どうも、日頃のうっぷんを男ではらそうとしているらしい。
友達のKがSに対して、「お前の ひよこ に対する思いは、男で満たされるようなものなのか!」と一括したら、なんかSはおちついたけど、どうもEがまだまだやりたりなさそうだった。
必死でそのばを抜け出して、俺は自分のベッドでずっと横になっていた。
 が、なんかそこから記憶がない。
まあ、ここのところあまり寝ていなかったのもあってか、どうやら寝てしまったらしい。
気がつくと部屋にはだれもいなかった。
後で聞いたら、みんな体育館で遊んでいたらしいのだが、俺は寝ていたから誘われなかったらしい。
「残酷だ!せっかくなのに!!」
 で、今日はもうほんとに眠かったので、俺は寝る事にした。
他の連中はなんか騒いでいたみたいだけど・・・。
そういえば、台風は
どうなったのかなあ・・・雨はものすごく降ってるけど・・・。