ここ数年、表題のようなニュースをたまに見かける。なんで、そんなことがニュースになるのか分からんが、社会が目を向けてくれるようになったんだとポジティブに捉えることにしておこう。
かくいう俺も、電車のドアに白杖が挟まれてしまったことがある。しかも、折りたたみの白杖だったので、ひっぱってもゴムが伸びるだけで全く抜ける気配もない。終電だったので頑張ったんだけど、結局電車が動き始めてしまったので、白杖から手を離し、予備の杖も持たっていなかったため、呆然とホームに立ち尽くしてしまったのであった。
しかし、問題はシチュエーションである。率直に言って、俺の場合は「ただのあほ」だったのであるが・・・。
友人としこたま飲んだ後、乗り換えで降り立った駅で、無性に喉が渇いたのである。で、たまたま前を歩く人が自販機で何か買っている音を聞きつけ、「ああ、助かった」とばかり俺も自販機に金を入れた。酔っ払っていて、なんかジュースの自販機にしては妙だなと思ったんだけど、とりあえず適当にボタンを押した。すると・・・。なんと、出てきたのはアイスじゃないか!!カップの下から棒が突き出てて、手でも持てるし、カップのアイスみたいにスプーンでほじくって食ってもいいやつだ。
「まあアイスでもいいや」と思って、ホーム上でアイスを味わっていると、終電がやってくる旨の自動包装があり、遠くから電車の音が聞こえてきた。さ、さすがに・・・アイスを持って電車に乗るわけにはいかない。混んでたら悲惨なことになるし。
なので、その瞬間から頑張って猛スピードでアイスを食べた。電車が進入してきて、ドアを開けたころに、ようやく最後の一口を書き込んだ。あんがい白線より内側にいたらしく、急ぎ足でドアに向かったのだが、白杖を出したとたん、ドアがしまってしまい・・・。あ~あ~あ~。白杖がドアに挟まれ、引っ張るとゴムがビヨーンとなるだけで抜けやしない。駅員や車掌にも気づかれず、電車は動き出し、白杖は電車と共に走り出したのであった。
手ぶら・・・ではないけど、白杖が持ってかれて、その当時は予備の白杖を持っていなかったので、「どうしたもんか・・・」と、しばらくホームで途方にくれてしまったものである。いやあ、電車に乗るまでは白杖が無くてもなんとかなるだろうけど、それこそ、挙動不審な人となり、いちゃもんを付けられても言い訳できない。いやあ、どうしたもんか・・・。終電が行ってしまったのであったが、とりあえず、途中の駅まで行く電車はまだあったので、それに乗って、最終的にはタクシーで帰ることになりそうだったんだけど、それにしても白杖は持ってた方が良いに決まってる。っていうか道交法的なやつがあれでこれでそれなはずだ(汗)。
と、途方に暮れていると、とぼとぼと歩いてきたおじさんが「これ、落ちてましたよ」と言って、白杖を持ってきてくれた。俺はそのとき、「神よ!おじさん、ありがとう」と、どれだけ頭を下げたことか・・・。この際、神に感謝していたのか、おじさんに感謝していたのかはどうでもいい。っていうか、こういうとき、神は何の役にもたたんなあ。おじさん、良い仕事してくれました!
おかげさまで、白杖は電車のドアに挟まれたものの、運良く電車のドアから落ちて、おじさんが持ってきてくれたおかげで、俺は帰ることができたのであった。
最低なのは、自販機がアイスのやつだったってことだ。いや、おかしいと思った俺も躊躇したんだけど、酔っ払ってて著しく判断力が欠如してたんで、「まあ変わった形の自販機もあるよなあ」と思ってたのも悪いんだが・・・。いやいや、ホームにアイスの自販機があるんだったら、ホームでアイス食ったって良いだろう。いやいや、そうじゃなくてだね、あの・・・。
その後は、必ず予備の白杖を携帯するようにしている。仕事用の鞄とプライベート用の鞄と、それぞれ、移し替えなくても良いように。
以上は大変に懐かしい思い出なのだけれども。。。若い頃は、全盲のくせに駆け込み乗車したら、身体がドアに挟まれて、電車をしばらく止めちゃったこともあったなあ・・・。ああ、すいません。営団地下鉄(当時)の駅員さんごめんなさい!
っていうか、どうでもいいけど、営団地下鉄じゃなくて、ええと、東京メトロか。あれって民間なんだよなあ。一部の駅は他の私鉄に委託運営してるのかもしれんが、民間の会社が地下鉄を運用してるって、東京だけじゃね?だって、横浜も名古屋も仙台も福岡も札幌も大阪も、市営だよね、確か?
さらにどうでもいいというか文化の違いなのか分からないが・・・。東京近郊だと、券売機でとりあえずボタン押しておいて、後で金を入れれば切符買えるんだけど、大阪市営地下鉄で券売機を使ったとき、金を入れないとボタンが反応しないっていうのには、ちょっと戸惑った。いや、ここ15年、東の文化に慣れてしまったせいかもしれんが、金を入れないと切符は買えないのは常識だと思うんだけれども、なーんか、これって西と東の文化の違いなのか、ユーザーインタフェース的なものが関係してるのか、どういうことなんでしょうか??挙げ句の果てには、10年前の札幌市営地下鉄の券売機には、「障害者割引」のボタンがあった。文化ってなんだ?合理的配慮(Reasonable accomodation)ってなんだ?
個人的には、どちらかと言えば、西の色が濃い場所で育ったもんだから、てっきり大阪の文化や言葉はなじみやすい、と思ってたんだけど。。。高校生から東京に居座っているおかげで、西の奥深き文化を忘れがちになっているようだ。もう少し大阪に根があれば、正直に言って、東京より大阪に住みたいよ、俺は。週末NGKへ行きたいもの。梅田でもいいけど。でも、俺の周りには、なーんだか関西嫌いの人、多いんだよなあ。そんなに毛嫌いせんでも、ええんとちゃうか?
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