先日、飲み過ぎてノリノリになっているとき、暇つぶしに何か録画した番組でも見ようと思ってあれこれ探していたら、以下の番組をまだ見ていないことに気づいた。
「NHKスペシャル「みんなの夢まもるため~やなせたかし ”アンパンマン人生”~」 – 2014念01月05日」
これを見て、酔っぱらっていながらも、いろいろ思うところはあったわけであるが、一番強く感じたのは「戦争を二度と起こしてはならない」ということである。アンパンマンは、作者のやなせ氏が中国戦線で戦っていたときにひもじい思いをしたことで「まずは食べることが重要だ」と思ったのが発端らしい。だが、それ以上に、特攻隊になった兄弟や、戦争で死んだ仲間がいるのに自分が生き残ってしまって、「何のために生きているんだろう」と思うときが多くあった、という点が、戦争の残酷さを印象づけていたと感じる。
上記の番組で戦争絡みの話は、やなせ氏を語る上でのエピソードに過ぎないが、「戦争はだめだ」ということ自体、大きな意味を持っている。
例え、第三国が戦争になったらぼろ儲けできるとしても、やっぱり戦争は悪いことだ。まぁ、戦争特需でおいしい思いをした日本人が言えたぎりではないでしょうが・・・。今まで、戦争が起きても、憲法を盾に大規模な要員派遣をせず、後方支援の名目で経済的に儲けさせてもらってすみませんでした。
そんな訳なので、日本が二度と戦争を起こさないように、そしてめんどくさいもめ事に巻き込まれないように、安全保障については次のとおり戦略を立てるべきと私は考えます。
まず第1に、防衛的軍備拡大をすること。防衛予算が上がっただけで「日本の軍国主義化が進んだ」とか「戦争へ日本が向かっている」とか言うよく分からない人がいるが、もうちょっと日本の軍事力を正しく理解してからものを言ってほしいものだ。
軍事ジャーナリストだった小川さんという人が、何かの本で書いていたことであるが、日本は海洋国家であるが故に、その防衛に当たっては、シーレーンの確保が先見事項である。第2次大戦中、日本海軍がシーレーンの防衛を軽視したために、南方からの補給路をずたずたにされて、結局本土には「油が無くて動かせない兵器」ばかり残って戦力にならなかった。現代に視点を戻しても、海上輸送路が制圧されれば、日本が立ちゆかなくなるのは明確である。石油が届かなくなっただけでも、原発が使えない現状では電力供給もままならなくなる。
従って、現在の日本の軍事力、すなわち自衛隊の得意分野の一つはASW(対潜水観戦)である。
私がいう防衛的軍備拡大とは、他国から日本が攻められないようにするための軍事力拡大を刺す。ASWはその一つだし、BMDももちろんそうだ。敵地攻撃能力は、とりあえず持つ必要はない。戦略爆撃機を持って変に周辺国を緊張させるぐらいなら、アメリカの核の傘に守ってもらっていた方がましだ。
それに加えて、防衛的軍備拡大において、「プロジェクション能力を不必要に向上させないこと」も重要である。これも小川さんの本に書いてあったけれども、プロジェクションとはすなわち輸送力のことである(厳密には違うかもしれないが、ここではそういうことにしておく)。つまり、いくら良い装備をたくさん持っていても、兵隊をたくさんかかえていて高い兵力を持っていても、戦闘地域へ兵力を展開する輸送力がなければ意味がないのだ。
その意味で、今の自衛隊はそんなにプロジェクション能力は高くない。東日本大震災の後、改善はされたのかもしれないが、少なくとも、当時は、米軍の方が被災地に早く到着できてしまうほどの輸送力しか自衛隊にはなかったということだ。地震を言い訳にしてはいけない。戦争だって地震と同じかそれ以上に過酷な状況なのだ。
だから、災害派遣目的で、国内に速やかに部隊を展開させることができるだけのプロジェクション能力は必要だが、それ以上に能力を上げて、他国に悪い印象を持たれてはいけない。まぁ、人質になった数十人の日本人を助けに行けるだけの装備と法律は必要だと思いますが。
長くなったが、抑止力の観点で軍備は拡大する必要があるというのが私の考えである。一般的な生存戦略として、相手を倒せるほどの能力は持たずとも、相手に「屈服させるには高くつく」と思い込ませることが必要なのである。
だって考えてみてくださいよ。国家間の問題は外交で交渉するのがルールだけど、その裏には必ず軍事力が存在していて、いざとなれば外交の場でどの国も軍事力をカードとして使う。想像してみてほしい。あなたが「金を出せ」と脅されたとき、丸腰でやせこけた男から言われるのと、ナイフを持った屈強な男から言われるのでは、どちらに命の危険を感じるだろうか?
国家という枠組みが維持され続ける限りにおいて、たぶんこれは変わらないだろう。最も、国家という単位がいつまで続く制度なのかは、微妙なところだが・・・。もしかしたら、Googleの方がアメリカ連邦政府より強くなる日は、そう遠くないかもしれない。
第1の主張が長くなってしまった。
日本が取るべき戦略の第2は、兵器の無人化である。アメリカではだいぶ進んでいるようだが、日本も、UAVとか陸上用の軍事ロボとか導入して、兵力を無人機械に置き換えていく必要がある。
ただ、どこか一方が兵器を無人化するだけでは、無人化されていない側が人的損害を被るので、世界的に兵器は無人機械に頼った方がいい。どうしても戦争しなきゃいけないようになったら、人ではなくロボット同士で決着をつけさせるような社会が現実的かも知れない。
ただ、ロボットだけで戦争して勝ち負けを決められるのであれば、ファミコンのストリートファイターで十分な気がしてきた。それではだめだから、重要拠点を攻撃して、意志決定できる人間を殺す必要があるのだ。その巻き沿いになった民間人は「平和とか正義のための尊い犠牲」であって、しかたのないこと。そういう考えなんだな、たぶん。
ということで、結論としては、怪しまれないように、日本は軍事力を拡大させてくださいな。あ、でもこれ、ヒットラー率いるナチス・ドイツと同じじゃないか。困った。
あぁ、だから今の総理大臣は、必死になってアメリカに取り入って、軍事力拡大を正当化してもらおうとしてるのか。でも、それにしては、靖国神社に行ったりして訳の分からない人だ(ケリーが千鳥ヶ淵へ行ったことは当然ご存じだろうに)。
まぁ、あべちゃんの気持ちは分かるよ。日ロ戦争までの「誇り高き大日本帝国」を取り戻したいんでしょう。タイムスリップして「シベリア出兵なんかやめろ!」と言いたいでしょう。アメリカに追従するだけの日本じゃ満足できないでしょう。だったらもっとちゃんとしてよね。
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