「卒業式の日、先輩たちとの別れとこれからの不安」

 今日はとうとう卒業式である。
今までお世話になった先輩が今日学校を去るのだ。
とても複雑な気持ちである。
先輩達は進学や就職をして新しい世界へ羽ばたいていく。
それはとてもおめでたい話である。
がそれとともに、俺たちは最大の頼りを失い、もう自分たちが頼られる存在になる。
これまでどれだけ先輩に助けられたか分からないが、その助けもそう簡単には出されなくなってしまうのだ。
結構微妙ですよ・・・頼れる存在というのがどれだけ大きかったことか・・・。
それを考えただけでも、本当にみんな卒業するのかとある意味疑問だ。
 9時40分頃会場入りして卒業生の入場を待つ。
一応泣くかもしれないと思っていたので、適当に友達と面白い話をして自分の気持ちをおちつけていた。
そして卒業生入場。
なんだかみんな正装して変な感じであるが・・・でもみんな輝いている。
式が始まり、卒業生1人1人に証書が手渡されていく。
1年後には俺たちもあのようにしているのかと思うと、なんだか時が経つのが非常に速いものだとつくづく感じる。
高校に入学したのがつい最近のような気がしてならないが、来月でもうそれから2年も経ったことになるのだから。
同じような事を思いながら先輩達は卒業していき、また俺たちもそうなのであろう。
 そんな感じで校長や来賓のつまらない話が終わって、卒業生の斉唱が始まった。
今までは歌も何も卒業式にはなかったのだが、高3の働きかけで卒業生の合唱が実現したらしい。
それにしてもうちの学校というのはなんて古くさい学校なんだろう。
来賓は舞台の上で俺たちを見下ろしてやがるし、卒業生が歌うという事に対して猛烈な反発をくらったらしいし・・・。
それ以外にも、卒業証書授与の時に校長が1人ずつ手渡しに行くとか(普通生徒が取りに行くんじゃないの?)、全体として卒業的な音楽でも流したらどうなんだろうか。
で、それはうちの先生が1人1人長くここで勤めていて、外の状況をあまり知らないからだということらしい。
今時の卒業式で、卒業生が歌うのに反対されたり、来賓が俺たちより上の立場で出たりなんて、個人的な感覚からいったらばかばかしくてしかたない。
前の学校の卒業式を長く経験したせいもあるだろうが、送辞と答辞の時に音楽流すと雰囲気出るのになぁ・・・。
 つまらない話があってからは、送辞・答辞が行われた。
送辞と小学部についてはどうでもよかったが、俺の大先輩であるカネヨウ先輩が答辞を読み始めた。
こうして代表として答辞を読んでいる先輩をみると、本当に彼らが行ってしまうのだという実感が沸いてきて、すごく感情的になってしまう事もあった。
がそれは紛れもない事実なのだ、どうすることもできない、ただ俺はそれを祝福する今年か。
 卒業式そのものが終わってからは、音楽科生の卒業演奏がある。
まぁみんな音楽で入っただけあって、ピアノもそこそこでした。
そして卒業生が退場していく。
本当にこれで最後なのか、もう本当にみんないなくなってしまうのか。
そんなもやもやを抱えたまま、卒業式は終わった。
 午後ちょっと先生と話をしてから、午後はひたすら寝ていた。
すると先輩に起こされたので何かと思ったら、もう先輩は帰るという。
お礼や世間話をちょっとしてから、先輩は帰っていった。
もうしばらく会えないんだなぁ。
 飯を食ってからぼーっとして、そして夜の散歩に出かけた。
なんだかこの辺は住宅街で、行った事のない場所に行ってみようとか思ってちょっと奥に入り込んで歩いていたら、なんだか知っている道に出ちゃったりした。
しかたながないので適当に歩いて帰ってきた。
おっと、今日はホワイトデーなのでお返しを買わないと・・・。
 寮に帰ってからチャキにホワイトデーを返した。
そしてちょっと話をしていると、なんだか深い話へとだんだん進んでいっていた。
それにしても人間関係というのはとても難しいものだ。
それまで本当に仲が良かった間柄でも、ほんとに小さな事から関係が一気に崩壊してしまう事がある。
現在、そういう状況があちこちで多発していて、それの仲介になっている俺としては、もう両者から愚痴を聞いたり、お互いへの憎しみをぶちまけられるのはもううんざりなんですよ。
そいつらの関係というのは、もう表面の皮1枚でやっと繋がっているようなもので、もういつ切れてもおかしくない。
そんな感じで両方と接している俺は、これからどうすればいいんだ!
だれか教えて!!